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TRAP

第2章 Distance

((宇野side))






與「みちゃこ」

宇「…なに」

秀「うわ,機嫌悪っ(笑)」






気分が悪いのは仕事が終わっても変わらない


なぜか千晃と仲良くする気になれない


自分でもどうしてこんなに千晃に敵対心を抱いてるのかはわからない


千晃は別に悪いことは何もしていない


きっとただの嫉妬だろう


そんな自分が余計に許せない







與「なんかあったん?話聞くで」

宇「…」

與「…1杯奢るで?」

宇「…呑む」

日「なんか今日の宇野すごい変だけど」





そうだ、変だ


馬鹿馬鹿しい


そんなことは承知




秀「なんか変な病気にかかったとか」

西「実彩子らしくなーい」

千「宇野ちゃん,大丈夫??」






溜めていたものが一気に爆発した瞬間だった





宇「……誰のせいだと思ってんのよ!!!!!」





部屋全体に自分の声が響き渡り,はっと我に返った




みんな,驚いたような困惑したような表情を浮かべている




千「……ご……めん………」

宇「あっ……その………そうじゃ……な…くて,ね…………」

浦「ついかっとなっちゃったんだよね,そーゆーこと俺もあるから大丈夫だよ,気にしないで」

日「…そーゆーことあるよな!俺もある」

宇「………ごめんなさい…」

浦「たくさん話聞いてもらっておいで。足りなければ俺も聞くから。そのかわり飲みすぎない程度にね」

與「じゃー行こか。みんなおつかれさん!また明日〜」

宇「ありがとう…また明日……」

秀「おう,気をつけて」







申し訳なさすぎて,情けなすぎて


デスクを出た瞬間,真司郎がいることも忘れて泣き崩れた




與「実彩子」




真司郎はしゃがんで,私と同じ高さに目線を合わせてくれた



宇「もぉ……わかっ…ん……ない…」

與「辛いやろ?苦しいやろ?」

宇「…う…ん……」

與「じゃあにっしーのこと諦める?」

宇「…それ…は……でき……なぃ……っ…」

與「じゃあこんなとこで泣いたらあかん。最後までとっとかなあかん。行くで。」

宇「うん…」




頭をぽんぽんと叩かれて,なぜか安心した

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