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TRAP

第3章 Last Love

秀太side





入口のドアが開いた音で目を覚ました



隣では真司郎が爆睡(笑)





秀「しんじろ〜」


真「……」


秀「しーんーじーろー!」


真「なんや…朝からうっさいなぁ…」


秀「機嫌悪っ」


真「なんか文句あるか」


秀「いえ( 'ω' )」







広い部屋に行くと、日高がベランダに出ていた



…千晃はどこだ





秀「なあひだか〜」


日「おはよ。どうした」


秀「千晃どこ?」


日「さっきベランダ来て、寒いから戻るって言ってたけど」


秀「いや、いないけど」


日「あ〜、散歩とか?(笑)」


秀「俺ちょっと見てくるわ」






2回ほど電話しても反応なし


LINEもメールも返信なし


フロントまで来たのはいいものの、どこに行けばいいのか






秀「すみませ〜ん」


フロント「おはようございます。どうされました?」


秀「あの、散歩とかできそうな場所ってありますか?」


フ「はい。向こうのドアから出ますと、遊歩道があります。この時期は花がたくさん咲いていて綺麗ですよ」


秀「わかりました、ありがとうございます」







言われた通りにドアから出ると、とてつもなく広い敷地に繋がった



まだ朝だから人は少ない





道に沿って歩いていくと、小さな女性がベンチに座っていた


正しく言うと、千晃がベンチに丸まっている






秀「おはよ」


千「秀…ちゃん…」


秀「なにしてんの?」


千「秀ちゃ…わたし…」






目にいっぱい涙を溜めて何かを訴えてくる



隣に座って背中をさすると、ポロポロと涙を零す






秀「なにしたの?」


千「だめだった…わたし…」








千晃は日高が好きだったこと


でも、気持ちを伝える前に向こうの気持ちを知ってしまったこと


日高を応援したいのにうまく笑えない、できない自分が嫌なこと






正直、聞いてて辛かった


好きな奴が、他のやつを想って泣いてるんだから





千「苦い…んだね…恋って……」

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