箱………仇
第6章 愛と言う箱――――…
「―――――…僕は…これから――――
菊地を殺しに行こうと思う――――…」
え――――――――…
私は、手にしたアルバムをギュッと握りしめた――――…
「菊地は…本当に――――…最低の奴だった…
寿江が、妊娠したから――――…渋々、籍をいれたんだ…
ほとんど働かず…身重の寿江が働いていた…
その間に浮気は当たり前――――…ギャンブルに借金…
最終的に暴力――――…
僕はね…全部知っていた――――…でも、大丈夫って、寿江が言うから…見守り続けたんだ――――…
なのに――――…菊地は――――…」
父の顔は、もう涙と鼻水でぐずぐずに崩れ――――…
食い縛る歯は唇を噛みきり――――…血を滲ませていた…