箱………仇
第6章 愛と言う箱――――…
「警察やマスコミが――――…近所のアパートに来るけど…
気にするな――――いいね?」
私は、嫌だ嫌だと――――…首をふる
だが…父は――――箱の中にあった紙袋を手に――――…
立ち上がった――――…
「待って!!お父さん――――…
復讐なんて…しなければいい!!私は、お父さんと幸せになりたい!お母さんも――――…お母さんも…
そんなの…望んでないよ!!!」
父は、大泣きして
すがり付く私を優しく…突き放す――――…
「ごめんな…寿子…
――――――――…寿江の言葉が…耳から離れないんだ――――」
「お母さんは…何て…言ったの?」
「“赤ちゃんを助けて…”って――――…
それと――――…
“殺してやる――――…
明宏――――殺してやる――――――――”」
私は、母の無意識の言葉に――――――――…
強い憎悪を感じた――――――――…