ある晴れた冬の日に
第2章 良の想い
校門を出ると、良君がいてびっくりした。
「どうしたの?こんな所で」
「萌音を待ってた」
「私を?」
「ああ。だって、あの三上って新しい先生に連れてかれるの見たから、気になって」
「っ…そうだったんだ」
「もしかして告られたとか?萌音のこと授業中がん見してたもんな」
「告られてないよ〜。あのね…私が先生の昔の恋人によく似ているから驚いたんですって。ただそれだけ」
「はぁ!?んなこと言ったのかよ、あの先公」
「また先公なんて、そんな言い方して」
良君は自転車で私はバスだから、途中まで一緒に歩いた。
「じゃあね、良君」
「おぉ…あのさクリスマス、どっか遊びに行こうぜ?」
「うん、いいよ。未来にも言っとく」
「え?あぁ、そうだな。んじゃあ」
私は良君には言わなかった。
「ふぅ…」
抱きしめられた事。
そして先生の好きだった人は、
もうこの世にいないって事も……。