ある晴れた冬の日に
第2章 良の想い
良side
遠くからおれは見てしまった。アイツが萌音の手首を掴んだのを。
その瞬間。おれは駆け出していた。
「悪い祐輔、先行くわ!」
「良どうしたんだよ!?」
「…っ」
しかし二人の姿はすでに消えていて…。
おれは、萌音が出てくるのを待つことにした。
萌音が昔の恋人に似ているだって?はっ、それって古臭い口説き文句じゃんか。
新任の分際でよくもやってくれるよな。
早速萌音に目をつけるなんて。
確かに彼女はモテるさ。萌音は自分で気がついてないだけで、すごくかわいいし、性格もいい。
だから多くの男が狙ってるんだ。
だけど…!
萌音は絶対誰にも渡さないぞ。
彼女は、このおれのものにするつもりだから。
ビュ〜
「うっ寒っ」
ちくしょう最悪だ…。
今日は風がやけに冷たいや。
「くしゅん…っ」