ある晴れた冬の日に
第3章 約束
あれから2週間がたった数学の時間。
授業で三上先生とは何度も顔を合わせている。
私は先日の事が頭から離れなくて、先生を意識し始めていた…。
なのに先生の方は、まるで何もなかったように振る舞っているから、先生にとってはもう、あれは過ぎた事なのかもと思ってしまう。
そうぼんやり三上先生を見つめていたら、
ドキッ!
目が合った。
「じゃあ次は蓮池さん。③番の計算をを解いてもらおうかな」
「は、はい」
ひえっ、あてられた。
私は立ちあがって黒板へ向かう。
先生をちらっと見たら、なんだか微笑んでいる気がして。
「っ…」
私はどきどきしながら答えを解いていった。
「はい、そうだね」
ふぅ〜。
席につき、ふと気づくと良君がこっちを見ていた。
「…」
そうだ。今日は図書室へ借りた本を返しに行かなくちゃ。