ある晴れた冬の日に
第1章 prologue〜夢の人〜
12月初旬のある日。
「萌音、今日からだね。新しい数学の先生が来るの」
「あっ、そうだ」
私の名前は蓮池萌音
(ハスイケモネ)。どこにでもいるような高校2年生の女の子。
昼休み、私は友達の
浅田未来(アサダミク)に言われて思い出した。
「そっか、佐伯先生もう来ないんだっけ。産休だからしょうがないけど、私は佐伯先生の授業わかりやすくて好きだったな…」
そんな私に未来が目を輝かせて言うのだ。
「でもさ〜、どんな先生か楽しみじゃない?」
「まぁ、そうだけど」
その時私達にわって入ってきた声は。
「男だってさ。それもかなりのイケメンらしいぞ。さっき他のクラスのやつが言ってた」
「え〜、それほんと!?ラッキー」
彼の言葉に未来が喜んだ。
「残念だな〜、かわいい女の先生だったら良かったのにさ。
なぁ祐輔?」
「う、うん」
私達の近くでお弁当を食べていた
橋本良(ハシモトリョウ)と
山本祐輔(ヤマモトユウスケ)だ。
私は黙って3人の会話を聞いていた。
ふ〜ん、男の先生なんだ…。