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ある晴れた冬の日に

第5章 故郷へ


先生は運転中、何回か休憩を挟んでくれた。

「あっ♪」

私は絶好の撮影スポットを見つけた。


それは動物や人物の絵の、顔出し看板。

「えっ?やだな〜、これは!」


「ふふふふ!誰にも見せませんから〜。順番に撮りましょう?はい、早く顔をはめてください」


「…やれやれ」

すっかり最初の緊張がほぐれた私は、とても楽しかった。
先生のこんな柔らかな表情、多分私しか知らないだろう。
ちょっぴり優越感。

ーーーー

「ほら、海が見えてきた」


「わぁ…キレイ」


目の前には、水平線の彼方が光で反射しキラキラと輝く、大海原が広がっていた。


先生の生まれ育った町は、もうそばまで来ていた。

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