ある晴れた冬の日に
第5章 故郷へ
淳也side
ガラガラと引き戸が開けられた。
「お帰りなさい。よく、来てくれたわね」
少し年をとったかな…。
だけど相変わらずの人懐っこい笑顔で迎えてくれた。
「母さん…長い間音信もせずにごめん」
「いいのよ、もう。あなたのことだから、きっと元気で暮らしていると思ってたから。
さあ早く入りなさい」
母は言葉に詰まりながらも、久しぶりの息子の姿に嬉しそうだった。
「あのさ、母さん。紹介するよ」
「え?」
「この子、今の学校で教えている生徒さんなんだ」
俺は後ろに隠れるようにしていた彼女を前に促した。
「は、はじめまして。
蓮池萌音です。突然おじゃましてすみません」
たどたどしく答える萌音を見て、
母が驚いた表情に変わった。