ある晴れた冬の日に
第5章 故郷へ
「今の君と同じ、
17才の初冬だったよ」
「そんな若く…」
「車道を徘徊していたお婆さんを助けて、車にはねられたんだ」
「じゃあ、先生と舞尋さんが付き合ってた期間て」
「1年ちょっとかな。確かに短い間だったかも知れないが、中身はすごく濃かったんだ。
一生分の恋愛をしたような、ね」
先生は今でもずっと、彼女を思い続けているんだ……。
「私、ようやくわかった気がします」
「何?」
「先生がうちの学校に来る少し前から、私、ある夢を繰り返し見ていました」
「夢?」