ある晴れた冬の日に
第7章 ごめんね
先生は私に全く気づいてないようで、夢中になって男子を追いかけている。
「あ…っ」
その時私は急なめまいに襲われた。
この感覚は前にも体験した。
きっとまた何かが起きる…。
バチッ
視界が揺れたと思ったら
さっきまでとは違う光景が眼前に広がっていた。
詰め襟の学生服にコートをはおった男子生徒と、セーラー服にマフラーをした女子生徒が、歓声を上げながら雪の中を戯れている。
《……フフフッ……》』
《……アハハハ……》
よく見ると2人は、若き日の先生と舞尋さんだとわかった。
うらやましいほど仲が良い姿に、私の胸はギュッと締めつけられた…。
「萌音、雪だるま作ろう?」
「…」
「ねえ、萌音ってば!」
未来の声が遠くに聞こえた。