ある晴れた冬の日に
第1章 prologue〜夢の人〜
私は教科書とノートを開き、何気なく顔を上げた…ら。
ドキッ!
先生と視線がばっちり合ってしまった。
「っ…!!」
「…っ」
その強い目力に、私は慌てて目を伏せた。
びっくりした…。
しかし教室は、いつまでも静寂が流れるばかり。
ん…?
そのうち、
「先生、どうしたんですか?早く授業始めて下さい」
と、前列の優等生の子が怪訝そうに言った。
「え、あぁ。悪かったね。何でもないんだ…」
先生はどこか狼狽した様子で答えていた。
ーーーー
休み時間。
未来がニヤニヤして、私のところへやって来ると言った。
「ねぇねぇ三上先生さぁ、萌音のことずっと見てたよ?」
「はぁっ?どういうことよ?」
「だからぁ、まるで電流にでも撃たれたように固まってた。
もしかして萌音、先生に一目惚れされちゃったりして、フフフ」
「ま、まさか気のせいだよ!36って言ってたじゃん。親子ほど離れてるんだよ?有り得ない」
「ううん、気のせいなんかじゃないよ。どうする?萌音」
「し、知らない」
え、やっぱりあの目線は私に向けられていたの……?