ある晴れた冬の日に
第8章 アタック!
良side
学校が終わった放課後、おれは自転車置き場へ向かっていた。
すると
「はしもっち!」
背後から呼ばれて振り返った。
その言い方をするのは1人しかいない。
「おぅ、未来。どうしたんだよ?」
「はい、これ」
部活の恰好をした未来がおれに差し出したのは、小さな紙袋だった。
それがチョコだと、さすがのおれにもわかる。
なんとなく未来は照れくさそうにしてるし。
「やったぁ、義理でも嬉しいぜ。サンキュー」
「うん、いいよ。それじゃあ」
「また明日な」
おれは走り去る未来を見送って、自転車の所まで来た。
そしてカバンを開けると、紙袋の包みを崩さないようそっとしまおうとしたが。
「…」
ふとどんなのが入っているか気になった。
おれは中を覗いた。
そこにはラッピングされたチョコと一緒に、ピンク色のカードが添えられていた。
何だ…?
おれはそこに書かれた文字を何回も読み返し、必死で理解しようとした。
[You're the only one for me.]
え、未来が
おれを…
マジで!?