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Christmas短編集

第3章 ささやかな幸せ

 そんな出来事から四ヶ月という月日が流れた。寒い季節がやってきて、雪が降る。街中の所々にあるクリスマスツリーは、銀化粧を纏う。何十年か振りのホワイトクリスマス。

 サンタクロースの格好をした女性たちは忙しなく、ティッシュを配っている。

 私はというと、大きなクリスマスツリーの前で大好きな彼、直樹を待つ。

「有希っ!」

 直樹がやって来た。久しぶりの再会。真っ先に抱きついてくれた。

「じゃ、行こうか?」

 私は、照れ隠しにそう言って歩き出す。少し行くと大きなショッピングモールが目の前に広がる。クリスマスデートはショッピング。

 まずはさっとまわる。十二時。

「お腹すいた……」

 私はお腹を押さえ言う。

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