いつまでもいつまでも
第3章 君に魔法をかける
部屋に入ると、窓辺にはクリスマスツリー
窓の景色は、ドーンと聳え立つ東京タワー
『どうだ!紫乃!!
この景色を今夜は独り占めよ』
そんなムード満点な場所で、紫乃をギュッと抱きしめた。
「紫乃…
夫婦二人っきりの時間もあと僅かだね。
だけど、紫乃のお腹を見ると愛しくなる。
だから、今夜は二人っきりの最後のクリスマスイヴになるけど、楽しもうな!」
「靖幸…」
「覚えているか?
紫乃にプロポーズした場所」
「東京タワーの展望台」
「うん……
そこで紫乃に『結婚しょう』って言ったんだよな…」
「うん…」
「紫乃がおばあちゃんになっても忘れないように、ちゃんと考えたんだぞ!
断れなかっただろ?」
「断ったりしないよ…
ずっと待っていたんだもん…
忘れないよ…
あの日も今日も」
「今日は、ゆっくりここから夜景見ような」
「うん。
素敵な部屋だね!」
「あぁ……
今まで紫乃には内緒にしておいた。
俺からのサプライズ。
それと、日頃よくやってくれてる奥さんへの感謝の気持ち。
俺は、今でもあの時の気持ちと全然変わってないよ。
誰よりも、紫乃を一番愛してる」
「……うん。
私もだよ。
あっ、ねぇ、今動いた!」
「どれどれ」
愛しい妻のお腹の中の命を手のひらで擦る。
「男の子だったら、紫乃の奪い合い。
女の子だったら、紫乃に似た子がいいな…
どっちが生まれても、二番目に愛しい。
一番は、これからもずっと紫乃がキープしてゆくんだ」
「靖幸?
お酒飲んでるの?
酔ってる?
何だか今日は少し変」
そう言って、クスっと笑った。
『オイオイ……
今日は……聖夜の魔法がかかるんじゃないの?
天然女にはかかりづらいとか……?」
「酔ってねーし!
この鈍感!
どうせ酔うなら、このムードにお前が酔え!」
魔法がかかりづらい女の最終手段は……
俺は少しかがんで紫乃の唇を奪う。
キスの時間が終わると……
聖夜の魔法がかかって、二人をロマンチックにさせた。
東京タワーの灯りが灯し出す。
「メリークリスマス!」
素敵な夜が始まる
FIN
窓の景色は、ドーンと聳え立つ東京タワー
『どうだ!紫乃!!
この景色を今夜は独り占めよ』
そんなムード満点な場所で、紫乃をギュッと抱きしめた。
「紫乃…
夫婦二人っきりの時間もあと僅かだね。
だけど、紫乃のお腹を見ると愛しくなる。
だから、今夜は二人っきりの最後のクリスマスイヴになるけど、楽しもうな!」
「靖幸…」
「覚えているか?
紫乃にプロポーズした場所」
「東京タワーの展望台」
「うん……
そこで紫乃に『結婚しょう』って言ったんだよな…」
「うん…」
「紫乃がおばあちゃんになっても忘れないように、ちゃんと考えたんだぞ!
断れなかっただろ?」
「断ったりしないよ…
ずっと待っていたんだもん…
忘れないよ…
あの日も今日も」
「今日は、ゆっくりここから夜景見ような」
「うん。
素敵な部屋だね!」
「あぁ……
今まで紫乃には内緒にしておいた。
俺からのサプライズ。
それと、日頃よくやってくれてる奥さんへの感謝の気持ち。
俺は、今でもあの時の気持ちと全然変わってないよ。
誰よりも、紫乃を一番愛してる」
「……うん。
私もだよ。
あっ、ねぇ、今動いた!」
「どれどれ」
愛しい妻のお腹の中の命を手のひらで擦る。
「男の子だったら、紫乃の奪い合い。
女の子だったら、紫乃に似た子がいいな…
どっちが生まれても、二番目に愛しい。
一番は、これからもずっと紫乃がキープしてゆくんだ」
「靖幸?
お酒飲んでるの?
酔ってる?
何だか今日は少し変」
そう言って、クスっと笑った。
『オイオイ……
今日は……聖夜の魔法がかかるんじゃないの?
天然女にはかかりづらいとか……?」
「酔ってねーし!
この鈍感!
どうせ酔うなら、このムードにお前が酔え!」
魔法がかかりづらい女の最終手段は……
俺は少しかがんで紫乃の唇を奪う。
キスの時間が終わると……
聖夜の魔法がかかって、二人をロマンチックにさせた。
東京タワーの灯りが灯し出す。
「メリークリスマス!」
素敵な夜が始まる
FIN