
密猟界
第8章 狩りの時刻
「夜驚って云うんだろうか、子どもみたいだな」 マグカップに傾けられる横顔に、「兄さん」「うん?」呼びかけると、柔らかい表情になった。
「おかしな夢みて」「そうだろうな」「僕…」コーヒーをすすめられ、下を向いてマグカップを取った。
「お前が変な夢見てる間に」マグカップを置き、「この─」途端に壁や床が震え出す。
カタカタとマグカップも音を出した。
「ユノ…」床に下りて耳をつけ、「妙な音もするんだ」姿勢を戻し、「何だろう、ポルターガイスト?」首をかしげ、「教会の地下で…」云い終わらないうちに、また揺れがきた。
「ユノ─もう」絶叫がきこえた。床下からだった。立ち上がってドアを開けるユノ。…再び、甲高い声が廊下のしたから響く。「女─?」「地下、行ってみよう」廊下を走る、突き上げる揺れが、激しくなる。
廊下の突き当たり、地下墓地への階段を下りかけたとき─異常な声音が─「何だ? あれ」「わっ、気持ち悪い」女が黒水牛に組み敷かれ、長い銀髪を振り乱し喘ぐ。
黒水牛の巨岩のような尻が、歯を剥いて金切り声を出し続ける女の、スレンダーな腰に打ちつけられる。
「おかしな夢みて」「そうだろうな」「僕…」コーヒーをすすめられ、下を向いてマグカップを取った。
「お前が変な夢見てる間に」マグカップを置き、「この─」途端に壁や床が震え出す。
カタカタとマグカップも音を出した。
「ユノ…」床に下りて耳をつけ、「妙な音もするんだ」姿勢を戻し、「何だろう、ポルターガイスト?」首をかしげ、「教会の地下で…」云い終わらないうちに、また揺れがきた。
「ユノ─もう」絶叫がきこえた。床下からだった。立ち上がってドアを開けるユノ。…再び、甲高い声が廊下のしたから響く。「女─?」「地下、行ってみよう」廊下を走る、突き上げる揺れが、激しくなる。
廊下の突き当たり、地下墓地への階段を下りかけたとき─異常な声音が─「何だ? あれ」「わっ、気持ち悪い」女が黒水牛に組み敷かれ、長い銀髪を振り乱し喘ぐ。
黒水牛の巨岩のような尻が、歯を剥いて金切り声を出し続ける女の、スレンダーな腰に打ちつけられる。
