
密猟界
第8章 狩りの時刻
─鉄格子の窓が翳って、動かない無表情の顔が遺影に見えた。
ラララー、と繰り返す陽気なメロディを、硬質な蒼い空に向け、歌い続ける少女めいた女性。
その後ろに立ったユノは、同じメロディを口ずさむ。──小路をゆくにつれて、風にのった朗らかな歌声は遠くなる。十字のついた小さな集会所が、見えてきた。集会の案内が、掲示板にあり、張られたガラスに傾きかけた秋の日差しが、反射している。彼方には、家も樹も人影もなく、遅い午後の秋の空が広がっていた。
やわらかな日差しが、歩み続けるユノを、照らす。─風に流れ、ちぎれ雲が黄金に色を変え、やって来た。
天上に還ろうとする天使のように、ユノは彼方をゆっくりと流れゆく雲に向かって歩く。────────
ラララー、と繰り返す陽気なメロディを、硬質な蒼い空に向け、歌い続ける少女めいた女性。
その後ろに立ったユノは、同じメロディを口ずさむ。──小路をゆくにつれて、風にのった朗らかな歌声は遠くなる。十字のついた小さな集会所が、見えてきた。集会の案内が、掲示板にあり、張られたガラスに傾きかけた秋の日差しが、反射している。彼方には、家も樹も人影もなく、遅い午後の秋の空が広がっていた。
やわらかな日差しが、歩み続けるユノを、照らす。─風に流れ、ちぎれ雲が黄金に色を変え、やって来た。
天上に還ろうとする天使のように、ユノは彼方をゆっくりと流れゆく雲に向かって歩く。────────
