
密猟界
第2章 雨の外へ…
……ひたぶるに敬虔な、神との対話─祈りは、絶えずに続いた…。掃除機の騒がしく喧しい音もまた、絶えまなく、続いた。
「…主よ…我らの咎を─、どうぞ…、どうぞ…お許し─ください」──ようやく、主の祈りをユノは唱えた。そのユノの全身を甘やかな香りが、霧のように取り巻いた。 「お祈りは…もういいんですか」目の覚めるような鮮やかな真紅のトレーナーを着たチャンミンが、隣の礼拝席に、座ってユノを見つめていた。
「ああ…。済ませたよ─」「─僕も、掃除済んだので…ユノひとりでどうしてるかなって…、気になって見に来ました」「掃除…、何も手伝わなくって─悪かった─」「ユノの大事なプライベート…信仰じゃないですか …。お掃除ぐらい、僕ひとりで充分です」「俺もゆっくりひとりで祈れたよ」「でも、ユノうるさくなかったですか? 掃除機、モーターが古いみたいで、音大きくって、騒がしい掃除機で…。ユノのひとりのミサ、邪魔しちゃったかなぁ─?」ユノは微笑んだ。「賑やかで…良かった─よ」「…賑やか…」「チャンミン」首を傾けるチャンミンの肩に、手をおいた。
「─ユノ…」
「…主よ…我らの咎を─、どうぞ…、どうぞ…お許し─ください」──ようやく、主の祈りをユノは唱えた。そのユノの全身を甘やかな香りが、霧のように取り巻いた。 「お祈りは…もういいんですか」目の覚めるような鮮やかな真紅のトレーナーを着たチャンミンが、隣の礼拝席に、座ってユノを見つめていた。
「ああ…。済ませたよ─」「─僕も、掃除済んだので…ユノひとりでどうしてるかなって…、気になって見に来ました」「掃除…、何も手伝わなくって─悪かった─」「ユノの大事なプライベート…信仰じゃないですか …。お掃除ぐらい、僕ひとりで充分です」「俺もゆっくりひとりで祈れたよ」「でも、ユノうるさくなかったですか? 掃除機、モーターが古いみたいで、音大きくって、騒がしい掃除機で…。ユノのひとりのミサ、邪魔しちゃったかなぁ─?」ユノは微笑んだ。「賑やかで…良かった─よ」「…賑やか…」「チャンミン」首を傾けるチャンミンの肩に、手をおいた。
「─ユノ…」
