
密猟界
第1章 雨の中,傘のなか。
「ユノ…となら─どういうところでも…何処へでも。行ってもいい」固く組み合わせた手を、ユノは祈りを捧げる仕草で、自身の胸の前に引き寄せ、心臓の辺りに当てた。…と、チャンミンの手の甲に、温かくユノの鼓動が、触れる。
微笑いを深めたチャンミンの耳朶に、ユノの口唇が囁く小雨が降るように、触れ合う。
「独立して…俺たち二人は共同経営者─自由に、やっていける」「楽しみですね」
ユノは傍らのチャンミンに笑いかけながら、「二人の事務所の名前もまだ、決まってない─けどな」そう云うと、チャンミンの肩を抱き寄せた。
「思い切り…」「うん?」「平凡なのが、良いんじゃないですか…?」「例えば─」「エニグマ。なんてどうですか」「ええッ?」ユノはチャンミンの横顔を、覗き込んむ─。
「エ…? ──」「エニグマ。…良い感じの名前でしょう?」「ア─、うん…で─」「ハイ?」チャンミンが首を傾げて訊くと、「どんな、…意味、かな」ユノも少しだけ首を傾げて云った。「ラテン語。謎という云う意味ですよ」
微笑いを深めたチャンミンの耳朶に、ユノの口唇が囁く小雨が降るように、触れ合う。
「独立して…俺たち二人は共同経営者─自由に、やっていける」「楽しみですね」
ユノは傍らのチャンミンに笑いかけながら、「二人の事務所の名前もまだ、決まってない─けどな」そう云うと、チャンミンの肩を抱き寄せた。
「思い切り…」「うん?」「平凡なのが、良いんじゃないですか…?」「例えば─」「エニグマ。なんてどうですか」「ええッ?」ユノはチャンミンの横顔を、覗き込んむ─。
「エ…? ──」「エニグマ。…良い感じの名前でしょう?」「ア─、うん…で─」「ハイ?」チャンミンが首を傾げて訊くと、「どんな、…意味、かな」ユノも少しだけ首を傾げて云った。「ラテン語。謎という云う意味ですよ」
