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年末年始の予定は
お互い仕事が多忙で立てることができませんでした。

『初詣は一緒に行きたいね。』と彼女は呟きました。
『うん、そうだね。』

この返事を彼女はどのように受け取ったのかわかりません。
ただ、一瞬寂しそうな顔をしたような気がしました。


私は彼女に素性をあかしていませんでした。
何歳なのか、どこに住んでいるのか、本名から仕事まで。
そして、今恋人がいるのか、結婚しているのかその他いろいろ。

二人の会話のほとんどは私自身のことではなく彼女のことでした。


彼女も恐らく努めて私のことを聞かないようにしてくれていたと思います。
でも、そんな状況で二人が恋人のようになれるはずがありませんでした。

また、私はホテルの外で女性と会うこともありませんでした。

秘密厳守でホテルの一室でのみ会う関係
恋人とは程遠い関係です。


彼女はもちろん、私自身も
相手への思いが大きくなればなるほど
その状況が窮屈になってきていました。


いっそのこと彼女に全てを打ち明けようか
そんなことが脳裏をよぎります。

その一方で、忘れられない過去のトラウマが
私に急ブレーキを踏ませるのでした。