無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

彼女が側にいてくれたら
どれほど幸せだろうか。

それは容易に想像できます。

ただ、私が彼女をこれから幸せにできるのか
それは全く自信がありませんでした。

二十歳のいくらでも選択肢のある
ステキな女性と
理由はどうあれ
不特定多数の女性と関係を持ってきた
中年の男に
幸せな未来など訪れるわけなどないと。
非日常の住人は
現実から距離を置いた世界で生き続けるしかないと。

『幸せになってください。』

そんな内容のメールを最後に
彼女からのメールに返事をするのはやめました。

ただ、
彼女のアクセスをブロックすることはできませんでした。

年が明けてからも
彼女からのメールは何度も何度も来ました。
成人式やバレンタインデー等のイベントの時には
写真付きで会いたいというメールをくれました。
私はそれを無視し続けました。
最悪なことに、彼女を忘れるためにいつも以上に新しい女性との関係を持ち続けました。
彼女にも、それらの女性にも最低な行為を続けました。

春を迎える頃に、彼女からのメールは途絶えました。

こんな私に『ありがとうございました。』という言葉を残して。