
Best name ~ 追憶 ~
第2章 私の希望
通りを抜ける頃
その人はチラチラと後方を確かめると
道をくっきりと曲がった。
…そしてようやく足を止める
ハァ…ハァ…
その人も
私ほどではないが少し息があがっていた。
私の手は……握られたままだ。
ドキ・・・ドキ・・
どうしよう…。
この人は誰で
なぜ、こんなことをするのだろう?
2人組からは逃げられたけど
…なんのために?
何か言わなきゃ……?
ううん、下手に何か言って
怒らせたりしたらコワイ…。
この人は男だ…
急変して
さっきみたいに怒鳴られるかも…
私に暴力を振るうかもしれない。
…今のうちに
手を振りほどいて逃げようか……。
手を……振りほどいて……
そもそも、どうして
すぐに振りほどかなかったんだろう…
振りほどかずに、いられたのだろう私。
男の人になんて
触れることも出来ない私が。
…引っ張られてたから?
わからなかった。
手の…熱………体温…。
え……?
ううん、それよりも……逃げようか。
いや…さすがに、それって…
理由はわからないけど
この人のおかげで助かったのだ…。
呼吸を整えて
フゥー…と息を吐いたその人の横顔に…
『……手を』
ドキ……ドキ…
『…手……はなして…。いたい…』
ドキ……ドキ……ドキ…
何て返ってくるだろう…
ぶたれたり…しないかな…。
何て言ったら
無事にここから去れるかな?
脳と全身が否応なしに拒否を…
そんな信号を出す私は
少しビクビクしていた。
その人はチラチラと後方を確かめると
道をくっきりと曲がった。
…そしてようやく足を止める
ハァ…ハァ…
その人も
私ほどではないが少し息があがっていた。
私の手は……握られたままだ。
ドキ・・・ドキ・・
どうしよう…。
この人は誰で
なぜ、こんなことをするのだろう?
2人組からは逃げられたけど
…なんのために?
何か言わなきゃ……?
ううん、下手に何か言って
怒らせたりしたらコワイ…。
この人は男だ…
急変して
さっきみたいに怒鳴られるかも…
私に暴力を振るうかもしれない。
…今のうちに
手を振りほどいて逃げようか……。
手を……振りほどいて……
そもそも、どうして
すぐに振りほどかなかったんだろう…
振りほどかずに、いられたのだろう私。
男の人になんて
触れることも出来ない私が。
…引っ張られてたから?
わからなかった。
手の…熱………体温…。
え……?
ううん、それよりも……逃げようか。
いや…さすがに、それって…
理由はわからないけど
この人のおかげで助かったのだ…。
呼吸を整えて
フゥー…と息を吐いたその人の横顔に…
『……手を』
ドキ……ドキ…
『…手……はなして…。いたい…』
ドキ……ドキ……ドキ…
何て返ってくるだろう…
ぶたれたり…しないかな…。
何て言ったら
無事にここから去れるかな?
脳と全身が否応なしに拒否を…
そんな信号を出す私は
少しビクビクしていた。
