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Best name ~ 追憶 ~

第2章 私の希望

「不都合がなければ、また付き合って」

と、言った彼は

時々私に連絡をくれた。


他愛もない内容だったり
食事の誘いだったり。




…お休みの日にとりわけ予定などない私に

そもそも〃不都合〃なんて、ない。


もっとも彼は…〃イヤでなければ〃とか
総合的な意味合いで言ったのかもしれないけど。


…とも思えたけど
どちらにしても不都合ではなかったから

私は、あれから彼と
よく会うようになっていた。

誘ってくれるのは彼の方からだけど
私はそれがとても楽だった。



こういう関係は・・・なんて言うのだろう?




当時はまったく考えなかった。



もしも「彼との関係は?」と聞かれたら
私は何と答えただろう。

彼は…何と答えただろう?


……「お友達」になるのかなぁ?





考えなかった

考えずにすんだ。




言ってしまえば
私の手前勝手なハナシだけれど…

彼は私に何かを…何も強要しない。




彼の作ってくれる空間は
自然で、なんかとても楽だった。





この人は・・・

言っていることと

思っていることが一緒だ・・・





だから変に緊張しないでいられる。
そう思える安心感。




・・・この人は

私をキズつけたりしない・・・。



ウソをついて

私をあざむいたりしない・・・。






『~だから言ったろ~(笑)』

『ちがうよリョウキが~…』




『~若さがないなァ アイは』

『…リョウキに言われたくない』




私は
そんな空間にすっかり甘えて
のびのびとしていた。






いつの間にか
彼を〃リョウキ〃と呼ぶようになっていた。


もちろん、呼んで良いと
言ってくれてたからだけど……

呼んでみると……案外
違和感のないことを知った。






すっかり顔馴染み(?)


多少の冗談を言ったり

からかったり、からかわれたり

そんな間柄になっていた。






そんな空間が
そんな日々が、ただ楽しかった。



いつまで…こうしていられるのかなぁ……?




彼に……お相手ができるまでの間かな……。










いやだ・・・

今は、そんなコト

考えたくない・・・。







?・・・



何・・・それ、私・・・。

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