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Best name ~ 追憶 ~

第2章 私の希望

部屋から出ることができずに
じっと家にいた私…



彼は・・・

ほんとうに来てるのかな・・・。







この期に及んで私は逃げていた。



〃このまま・・・過ぎてしまえば・・・〃



そんな中…雨の音がする。





・・・もう、いないよね・・・まさか。









迷った末、公園に足を踏み入れる。





6月のじっとりとした雨の中…






その人は・・・いた。







うそ・・・・・。










ベンチに座ったその人を
視界にとらえた……。






木の陰になってはいるけれど
降り続ける雨に
肩や髪の毛が濡れている。





私はそっと近づいて傘を傾ける。












鬼ごっこはおしまい・・・・・。







ごめんね・・・リョウキ。












彼に家に上がってもらって

私は覚悟をする。







『話・・・って』






・・・わかってる



ほんとうは



聞きたく・・・ない。








彼は重そうに口を開く




『あぁ・・・あのな』









いやだ・・・聞きたくない。







私は往生際わるく逃げようとした。




キズつくことからも
その現実からも。





〃わかってるから、言わなくても良い〃

と、拒んだ。


〃話を聞いてくれ〃

と言う彼を拒み続けた。


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