テキストサイズ

Best name ~ 追憶 ~

第2章 私の希望

『……!?』



私の言葉に、彼の表情が一変した。



カッ…っと

彼の顔が紅潮する。


私の両肩を掴んで・・・






『っっ…!!』





・・・ぶたれる・・・っ・・・!?







私は咄嗟に
ギュっと目を閉じた。










『・・・』





・・・・・。








あつい・・・。





・・・・・あったかい。








目を開けると


彼の唇が私の唇に触れていた。











・・・うそ。













彼からの・・・告白。


私の過去は関係ない、と・・・


私を好きだ、と言ってくれた。













そんなワケがない・・・





そう思う一方で
私の心臓は正直だった。





ドキン・・・っ





ドキ・・・ドキ・・・ドキ。








それが・・・本当なら私は・・・。







ドキ・・・ドキドキ










この人は私にうそはつかない・・・








そして唇から伝わる熱は・・・


それを更につよく伝えていた。








夢でもみているのかと思った。





本当?・・・



本当にいいの?




私は・・・この手を

握り返してもいいの?











この人は・・・私にはもったいない。






どうして私なんかを・・・。





こんな、問題だらけの子を・・・





この人には、もっとふさわしい

もっと良い女性(ひと)が・・・。















『オレは、アイルがいいんだ。
他の女性(ひと)じゃなくて
アイルが好きなんだ』









彼は…迷うことなく



まっすぐに



私に気持ちを向けてくれていた。






・・・応えなければ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ