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Best name ~ 追憶 ~

第3章 私の大切な人

私の体調を気遣ってくれて

ゆったりと
ゆっくり過ごせるようにしてくれていた彼。


時には人混みを避け
ドライブに連れていってくれたり…。




二人きりの空間・・・

ドキドキするけど

嬉しくて、幸せな空間。






あったかい、大きな手・・・

色っぽい低い声。



車を運転する彼の横顔・・・

凛とした、整った顔立ち

不意に見せる、やさしい笑顔。





私は彼に・・・

リョウキに夢中だった。









男の人は・・・こわくなんかない。






彼と付き合ってから私は

一度もパニックも発作も

起こすことはなくなっていた。











男の人・・・

リョウキのことは、こわくない。


この人なら、こわくない。



こわくない・・・どころか

私は彼が大好きでたまらなかった。






手を繋ぐのも


キスをするのも


ぎゅっと抱きしめられることも・・・




ちっともこわくもなければ

イヤじゃなかった。






イヤじゃない・・・どころか






私は、幸せでたまらなかった。





ずっとずっと こうしていたくて


もっともっと こうしてほしくて・・・






ずっとずっと 一緒にいたくて・・・




ずっとずっと・・・・・





彼を一人占めしていたかった。













そんなふうに

幸せを感じていた。
















だけど・・・









ただひとつ・・・











たったひとつだけ・・・・・













イヤなことがあった・・・。




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