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Best name ~ 追憶 ~

第3章 私の大切な人

『ヤベっ!降ってきた!?
なんだイキナリ~~!?』

『晴れだって言ってたのにねっ…
傘ないよリョウキ~~』



よくあるデートの日…。




『~アイル!オレんちすぐそこだから
雨宿りしようぜ!?』


『ぇっ・・・ぅっ…うんっ』




二人で走って彼の家に向かった。

オジャマするのは初めて。












『・・・ここなの?』




『?あぁ…。濡れるぞ!走れ』





住宅街に建つ…
キレイなマンション。






十数階はある、その建物に…







『・・・誰かと・・住んでるの?』







『ん?…一人だけど?』

『そう・・・』




一人暮らしにしては・・・
広そうなマンション。

彼とエレベーターで上階にのぼる。







・・・勝手な想像だけど

私の想像してた、男性の一人暮らしとは
かけはなれたイメージ。


〃『男の一人暮らしならナァ~~…
ボロアパートで十分だがなァ』〃


なんていう

私の住まいを探す時の
ソウタさんの言葉を思い出していた。


ソウタさんも学生のころや
若い時は四畳半のアパートだった
なんて言っていたし・・・。





『随分・・・広いんだね』



『ハハっ…よく言われる。
〃ムダに広い〃一人暮らし(笑)

まぁ…会社の方で融通きくってのも
あってな…』



『あぁ…なるほど…』



会話しながらエレベーターを出た。





『オ・・・オジャマします』

『ホイ どうぞ~…』




広い廊下・・・何部屋あるんだろう?



なんて、突っ立ってると・・・









ガチャリ・・・・・。









彼がドアをロックする。



・・・べつになんでもないこと。



べつにフツウの

ごく当たり前の音。









ビクンっ・・・。









突然、私の肩が震えた。







〃・・・ぇ〃




『大丈夫か?…冷えた?』

『ぅ・・ううん。
そんな濡れてないし、平気』



『早く入りな』

『うん・・・』






・・・。


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