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Best name ~ 追憶 ~

第3章 私の大切な人

まだ・・・あきらめたら・・・・・ダメ。




〃『踏ん張ってみろォ?アイ』〃




なぜだか突然

いつかのソウタさんの言葉が
頭を過った。



全然意味がちがうけど


この時の私には

〃「うん、そうだね」〃

って

心のどこかで思えた気がして。





そして同時に

悲しいのか、悔しいのか
ぐちゃぐちゃな気持ちから

涙が込み上げてきた。






私・・・


なんでこんなことになってるのよ。









こんな所で・・・


こんな・・・


こんな悪魔(やつ)に・・・。









私の脳裏に
ソウタさんと暮らした日々が甦った。



行き場のない私を拾って
助けてくれたソウタさん・・・


ソウタさんと二人三脚で
一歩ずつ踏み出してきた毎日


やさしさと元気とパワーで
いつも私を支えてくれたマナさん・・・


今日まで私をあたたかく見守り
育ててくれた沢山のお客さん・・・



それから・・・


それから・・・






今の私には・・・・・





『うっ・・・』



そこまで考えて
私は考えるのを止めた。

涙がでてしまいそうだったから。





ガタガタと音を立てる奥歯を
くいしばって泣くのを堪えた。






こんなやつの前で・・・泣かない







私なりに〃踏ん張って〃きた日々を





私を支えてくれた沢山の人達の気持ちを





こんなやつに




汚(ケガ)させない・・・。





あきらめてなんか・・・やらない。





こんなやつに・・・





二度と同じ目になんか・・・




同じ目になんか



絶対に



遭いたくない

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