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「逃げられないよ」
「誰も助けにこない」
「お前が悪い」
「これが運命だ」


再び言葉や暴力…そして脅迫で
悪魔は私の脳内を支配していった。


そしてそれは見事に
私の抵抗する力を次第に奪っていく。




『ﾌﾌ…オレを殺したい？
アイルは人殺しも厭わない
恐ろしい女だもんね……。

さぁ再現するよ？

だけど…昔とちがうのは
お前はオレを殺(ヤ)れないし
逃げられない。』


『…いっ……』



悪魔が私の両手首を
頭の上にねじり上げた。




私は悪魔の宣言通り

悪魔の手で

一気に過去に引きずり戻された。






奈落の底に
突き落とされたように


足元が…地面の底がパカッっと抜けて
真っ暗闇に堕ちるように




私は、絶望の渦へと
吸い込まれていった。





痛いよ・・・




怖いよ・・・・・




苦しい・・・よ。







肌に直に貼り付いてくる
悪魔の体が重く、苦しい・・・




ブキミな笑み


ベタベタとはべらせられる手


肌に吸い付いて噛みついて
私を舐め回す舌


荒っぽい息が
胸や首筋…耳にかかって
どうしようもなくキモチワルイ



真夏だというのに
全身に鳥肌が立っていた。





死にたい・・・今すぐに




舌を噛み千切ってでも死にたい




こんな思いをするくらいなら




意識をなくしていたい。




今度こそ消えてなくなりたい。