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Best name ~ 追憶 ~

第3章 私の大切な人

『……うっ……んんっ!』

『フフフ…期待を裏切らないのが
アイルの良いところだね。
ん…。…ん。チュ…チュゥ』




コワイ・・・


キモチワルイ・・・


・・・吐きそう。





逃げられないと言われても
逃げられなくても

どうしても耐え難い苦痛と恐怖に

私の身体は本能的に逃れようと
僅かに動いては身をよじらせた。


気持ち悪い音がしきりに私の耳を犯す。

胸やお尻を揉みしだかれ弄ばれた。



『ゃだ・・・いや・・いや・・・いや』

『ん…。ククク…泣けよアイル……。
泣くんだろ?ホラ…泣いてごらん?
泣かないと逃げられないよ?』



目の前には・・・
どうにも救いようのない・・・鬼畜。



『・・・~~』

『泣けよアイル。あの時みたいに。
〃やめて・許して・助けて〃って
お願いしてごらん?フフ…フフフっ』



泣こうが喚こうが
この悪魔にはすべて逆効果なんだ。

だから私は必死に耐えた。
歯をくいしばって…耐えた。



『・・・~~っう』

『泣け…オラ…泣けっ!
もっと泣け!泣けっ!泣け泣けっ!
泣くことしかできない女のくせに!』






泣かない・・・


泣くもんか・・・






自分より弱い者にしか・・・




弱いものイジメしかできない

こんな卑怯な悪魔(やつ)の前なんかで・・・






この悪魔に
これ以上喜んだ高笑いをさせたくない。



私は苦痛を必死にこらえつつ

反射的に出てしまう言葉や声も
極力おさえて

悪魔に「やめて」とお願いだけは
しなかった。





しても無駄なことを・・・

知っていたから。





どんなに我慢しても

こんな仕打ちに
耐え続けられないことは

私はきっとわかってた。



だけど

それでもいやだった。


同じ目に遭うのは

いやだった。



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