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Best name ~ 追憶 ~

第3章 私の大切な人

ジタバタ・・・ジタ・・・バタ



抵抗する体力も

私・・・残り少なくなってきた。




それを畳み掛けるように
最後の脅迫をされる。





悪魔は下半身から顔を覗かせて
笑みを浮かべ


私の大切な・・・


私の子どもたちに危害を加えると


脅してきたのだ。




万事休す・・・。







脅し・・・でしかないかもしれない



だけど私は恐ろしかった。




狂った悪魔が何もしない保証など
どこにもない。





冷静に考えるほど脳も思考回路も
まともに機能してはいなかったけど


ただ全身で恐怖を感じていた。



同時に感じたこと・・・





悪魔はリョウキのことを知っていた。




計画的に
こんなことをしていることを思えば

私を付け回し
私の周りの事も知っていた・・・?


まかり間違っても
私の周りの人達・・・

大切な人達に危害を加えられる
そんなこと

それだけは
あってはならない。


私は目を閉じた・・・


全身・・・抗い続けた力を抜いて

悪魔に

身体を・・・差し出した。





結局

私は無力だった。


悔しい…?むなしい…?つらい…?


ずっと堪えてた涙も
泣き声も出てしまった。


悪魔の力に最後は屈するしかなかった。




頭がズキズキとして
意識がうすれてくる


良かった・・・もう苦しくなくなる。



そこへ聞こえる
悪魔の荒っぽい息使い



私は咄嗟に顔を反らして
唇を噛み締めていた。



なぜかな・・・


今さら


そうだけど



彼の・・・



リョウキのいつも
やさしく触れてくれた唇にだけは


悪魔に触れられたくなかった。



リョウキを・・・
忘れたくなかった。

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