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Best name ~ 追憶 ~

第3章 私の大切な人

私は・・・

幸せになってはいけない人間

なのかもしれない。








ぼんやりとした私・・・


その身体は・・・心は


とりとめようのないほど


絶望に満ちていた。







自らの身に起こったこと・・・

その記憶がじわじわと

生々しく私に

〃これは現実だぞ〃と自覚させていく。







そんな私は


まるで真っ暗闇の・・・


光も希望もなにもない


暗闇の底に


深く深く


叩き落とされ


沈められたような気持ちだった。











〃真っ暗闇・・・真っ黒なら
あの真っ白な世界の方が・・・
よかったかもしれない〃










絶望した私は

愚かにも





自ら命を絶とうとしてしまったのだった。





それも・・・



最愛の彼の目の前で・・・。


















検査・・・検査・・・


また検査・・・




『・・・』

「大事にならないように
必要な検査だからね?頑張りましょう」


『・・・』

「もう少しだからね?」


看護師さんが私の様子をみては
励ましてくれたりする。

医師も看護師も
刑事も

誰のためでもない
私のためにやってくれていることだ。

それはわかっているけれど・・・



更に検査待ち・・・を告げられた私は



・・・モヤモヤ。






〃キモチワルイ・・・〃







汚れた身体・・・


ベタつくような感覚・・・


何よりその忌まわしい記憶に


自分の身体を
かきむしりたくなるような
衝動に駆られていた。



〃汚ない・・・洗いたい〃





シャワーを浴びてよいとは
一向に告げられない。



〃洗いたい・・・はやく〃






『あの・・・トイレに行きたいです』







どうしても耐えられなくなり
私はトイレに立った。

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