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Best name ~ 追憶 ~

第3章 私の大切な人

私はあの時、車の中で

あのまま
命を落としていたかも知れなかった・・・


息が止まってしまったかも・・・


あるいは
舌を噛みきってしまったかも・・・







そんな状況から・・・



悪魔の手から

私を救い出してくれた



つよくて やさしい・・・

大きな手・・・。










救出されたときの

その時の記憶が私にはない・・・。



だけど

その一瞬で・・・一体私は

どれ程この人を

傷つけただろう・・・

悲しませただろう・・・・・。





暴行された私の姿を
見せてしまったのだ・・・。




この人は・・・

やさしいこの人が

どれ程キズついただろう・・・。






その事実を思うと

私は、自分が屈辱・・・とか

はずかしい、ということよりも

彼に対する罪悪感ばかりが

次第に溢れてきた。






それでも必死に

私を助けてくれたリョウキ・・・・・。







そんな彼の気持ちも考えずに・・・

私は一体

なんということをしてしまったのだろう・・



私は・・・

また逃げようとしたのだ・・・。




彼に救われた・・・

彼の救ってくれた命を

自ら捨てようなどと・・・。



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