テキストサイズ

Best name ~ 追憶 ~

第3章 私の大切な人

逃げない、と言った私に

やさしい彼は
それでも私に〃逃げ道〃も提示してくれた。

〃辛かったらやめたっていい〃と。


『アイルに辛い思いや
無茶はしてほしくないんだ』



そんな彼の言葉は
私をこの上なく安心させてくれた。


だけど私は・・・頑なだった。


もう・・・決めていた。



『逃げないよ。もう・・・決めたの。
別にね・・・相手を罰したいんじゃない。
私が逃げたくないだけ・・・』





逃げたら、また追いかけられる・・・。



夢の中でまで恐怖に怯えて
追いかけられるなんてもうイヤなの・・・。



悪魔のあの手に捕まるのはもうイヤ。



もう怯えて生きていたくない。



逃げなければ・・・追いかけられない。




そして何よりも・・・





『もう、リョウキを悲しませたくない』






悲しませてしまったこの人を・・・

これ以上悲しませたくない。



出来るのなら・・・これからいっぱい

この人を笑顔にしたい。



許されるのなら・・・

あなたのそばにいたい。



あなたを・・・幸せにしたい

今度は私が・・・。




だから私は

もう逃げない。




生きてやる・・・。



生き抜いてやるんだ・・・。




あなたのそばで・・・


私は・・・生きたい。





あなたは・・・それを許してくれますか?











『バカ・・・たりめーだろ・・・っ』







少し・・・照れたのかな?


ちょっぴり悪態ついて
目を反らしたあなた・・・。




〃そばにいるよ〃と・・・

無言でエールをくれた。









生きてて・・・よかった。



この人を・・・幸せにできる

まだまだ、これからその努力ができる。



私・・・そのための時間がある。









ありがとう・・・大好きな人。






私・・・あなたを幸せにしたい。





あなたを・・・守っていきたい・・・。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ