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Best name ~ 追憶 ~

第1章 私の記憶

そんな私の出した答えはこうだった。


私は…受験と恋愛


……両立するのはムズカシイ。




今は…恋愛は諦めよう。



優しい彼を傷つけたくなかった。
だけど、こんなキモチで付き合ってるって
すごく相手に失礼だなって思う。


戸惑いつつも、答えを出しかけていた私は


彼と会うたび…電話をするたび
話を切り出そうとするのだけど
中々思うようには行かなかった。



そんな矢先…私は……見てしまう。
聞いてしまったんだ……。


『あっ……セイ…っ。…!!』

学校の帰りに見かけた彼を
呼び止めようとした私は
慌てて口をつぐんだ。

彼は電話中だった。

間もなく彼はコンビニの前で立ち止まり
タバコに火をつけて話続ける。



私は特に考えずに
そのままその距離を保ったまま
突っ立っていた。


『あ~?…あぁそうだけど?あ~、あ~
イヤ、うん別れるけどね~もう…あん?
いや、マジだろ?!』


少し違和感を覚える彼の声…
私といるときとは随分ちがう口調…。


『ウブのオジョーもおもしれぇかと思ったけど?
~ショーベンクセーガキじゃ~ナ…。
ん?いやマジ…マジ、ハハハっ!
キスしただけで耳まで真っ赤になってるとかよ~
萎えるっつーの!!
~いや…ソレは別っしょ?
いや、もー飽きた!オワリオワリ!』


聞いたことも…見たこともない彼の姿。

私の不安は…どうやら的中していたらしかった。

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