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Best name ~ 追憶 ~

第3章 私の大切な人

『リョウキ・・・手・・』


『ん?…あぁ
もう殆んど治ってる♪』



『・・・ウソ』








あまり包帯を巻かないようにしてるの

・・・気づいてたよ。



私が気にしないように・・・

私に見えないように。







『ホントだ。~〃犬並みの回復力〃
とか言われるしよ……;💧』


『え・・・;💧』





『〃どうなってるんだ君は~?〃
だとよ、あの医者め……』


『・・・手当て・・させて?』





『アイル…大丈夫だから』


『・・・お願い』





『~~~…』






彼の右手の包帯をはずすと…

確かに…傷は塞がっていた。




だけど・・・





腫れて痣になった傷…

そして、所々縫ったあと……。




痛々しい・・・。



すごく・・・痛そう。



ちっとも
大丈夫に見えないよ・・・。




会社で変に思われたり・・・

何か言われたりしなかったかな・・・。



心が痛くてたまらない。



『薬・・・塗るね』

『……あぁ』




『~~…』

『泣くなよ・・・もう。~~…』






堪えても、涙がでる・・・

ダメ

彼が気にしてしまう。



『っっ・・・泣いてないよ。
感謝してるだけ・・・』




そして私は
傷の残る彼の手に
そっとキスした。



『ありがとう・・・』









『…何度も…言うなっての…』




少し気まずそうに
彼がそっぽを向く…。

包帯を巻いて、手当てを終えた。



『アイル…上手だね』

『ほんと?~ふふ…
ワンコの手当てとか、よくしてたから』




『…だからオレは
犬じゃねぇってーの;💧…』


『ぁ・・・そうだったね(笑)』





『オイ;💧』


『・・・はやく良くなってね』





『平気だっての…』









もう彼に・・・


リョウキに



こんな痛い思いはさせたくない・・・




二度と・・・させない。





私の中に

言葉となって

芽生えるキモチ・・・。











大切な人ができました。



守りたい人が・・・できました。

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