テキストサイズ

Best name ~ 追憶 ~

第3章 私の大切な人

ドキン・・・ドキン・・・


ドキン ドキン・・・









お互い無言のまま
広い廊下を移動する・・・。







ガチャ・・・








私を抱いたまま
彼がドアノブを下げて

さりげなく・・・
器用に足でドアを開けた。



ドキン・・・ドキン








彼が私をそっと
ベットの上におろした。






照明をおとして薄暗くなる部屋。






ピクっ・・・。






ライトがおちるのと同時に
私の肩が震えた・・・少しだけ。






彼の大きな手が
私の頬に、そっと触れる。








ピクっ・・・






『・・・っ』





肩・・・震えないで。


リョウキが気にしてしまう・・・。





私は・・・彼を受け入れたい



彼に・・・受け入れられたいの・・・。










何度も…最後まで

私に確かめてくる彼。


『無理にはしたくない』

『こわいなら、こわいと言え』


・・・と。






私はもちろん
こわくなんかなかった。



この上なく・・・緊張してはいたけれど。




ドキンドキン・・・


自分の心臓の音で
アタマがチカチカしそうだったけれど・・・




『私は・・・
リョウキのものになりたいの・・・。
リョウキだけのものにして・・・』






本当の気持ちを

改めて・・・彼に伝える。













『私を・・・抱いて・・・』





















よくも・・・

こんな事を言ったなぁ・・・と

未だに思う。



後にも先にも
この時だけ・・・。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ