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Best name ~ 追憶 ~

第1章 私の記憶

彼から着信…。




帰宅して、久々に家でくつろいでいた私は
鳴り響いた音にドキッとした。


年度が変わって
高校3年になったばかりの春


私は初めてできた彼氏との
別れを迎えようとしていた。



少し気の重い私の体に
お気に入りの春色のワンピースは
とても軽やかで着心地が良かった。


……いよいよか。


思い切って電話に出る。




メールの返事だと思っていた私…
でも内容は
まるで違うものだった。


……一時休戦?…ちがうかな、一旦保留。

そう思い家をとびだした。

大変、急がないと。








『こんにちはっ!!ハァっハァっ』

『なんだアイル~?そんな慌てて』


動物病院に飛び込み、棚をあさる。
次々と道具を手にとってまとめた。


『~~!…ごめんなさいっ
…これ借りますっ(ハート)』


思いきり微笑んでソウタさんをみる。



『構わんけどナァ…?どうしたぁ?』

『~彼がね…ケガした猫を拾ったって…。
今電話があったの。
ぇ~と、コレと…コレ、あ、コレも!
詳しいこと言ってくれなかったから
私今からみてくる』



『そうか…~もうじき暗くなるぞ?
どこまで行くんだぁ?』

『△△公園!急いでいってきます』



『……遠くないかぁ?
オイオイ~夜道に女の子がナァ…
んなカワイイカッコしてオマエ~♪
危険だぞぉ~?』


私を冗談めかしてからかうソウタさんを
軽くあしらって、ひとつお願いをする。


『ふふっ!私、逃げ足だけは速いの♪ヘイキ!
走ればすぐ着くよ。

あぁ…だからね、そーたさんっ!
私じゃ無理そうなら連れてくるから…

診てほしいんです!お願いソウタさんっ!
…院長にはナイショで…!お願いっ(ハート)』


『~ったくしょーがねぇなァ;💧
わかったわかった!早く行ってこい!
気をつけてな!~いってらっしゃい』



『ふふっ、ありがとうソウタさん!
いってきまぁす!!!』




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