無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

私は日の暮れかかった道を
ひたすら必死に走った。



薄暗い公園で彼を見つける



公園…といっても


だだっ広く人気もない
少し孤立した空き地みたいなものだ。



私が小さいころは、まだ子どもも多くて
よく遊んだ場所だけれど…

暗いとすっかり不気味な
〃元公園〃のような所…


猫の姿を探しながら彼に駆け寄り尋ねる。



すると…



思いもよらぬ一言が帰ってきた。








『……なんのハナシ？』


両手で持ってきた道具を抱える私を見て
どこか吹き出すように彼は静かに笑った。



『…ネコ…拾ったってって……さっき。
ケガしてるって…』

『ぷっ……ネコねぇ…。オレの目の前の
子猫のコトか？…』

彼は笑いながらツンと
私の鼻のアタマを指で軽くつついた。

『なぁっ？』


……？。


〃なぁ…？…って？〃




…私にじゃ……ない。



呼び掛けに反応するのに先立って
ザザザっと砂のこすれる足音……。


耳を傾ける前に
私の肩や腕に衝撃がはしった。


〃えっ？…何？〃


左右から私を押さえる手の主を確認する。



…知らない二人の男の人。

彼の…友人だろうか…。



状況がわからず
ひたすらまばたきを繰り返す私は
正面の彼に目線を戻し目で訴えかけていた。



〃何・・・何なのこれ？〃






『ﾌﾌっ…～バカだねぇ…アイルは。
オレが〃やさしいうち〃に
言うこと聞いてりゃよかったのにナァ？』


『……セ…イゴ？』


彼の言ってるコトが…言っているイミが
何一つわからなかった。

そんな私をよそに彼は仲間に向かって
無言で顎をしゃくり上げてどこかを指す。


「ホィ♪こっちだよ～ＪＫチャン～」

「ムコウにイイ オフトンあるからね♪」



……？。

…………？。


……!?


二人組に引きずられてどこかに移動…
反動で私の履いていたサンダルが脱げて
砂の上に転がる。


ドスンっ…。



草木で陰になった芝生の上に
二人組が私を突き飛ばして投げ出した。



私を見下ろす３人の男が
まるで大きなタワーのようで
私はただ萎縮する。









……何が…起こっているんだろう…？






これは一体……何なんだろう…