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Best name ~ 追憶 ~

第4章 ひとりに・・・しないで

彼のその姿を見たら・・・


名前を呼んだら・・・


まして目の前にいたら・・・私は







姿を現した彼に…

その言葉に

私の心の殻は

いとも簡単に破れる






感情が・・・溢れる





ダメ・・・。





それを、ここで出してはダメ






この人を困らせるだけ






ダメ・・・ゼッタイ







それに・・・私が決めたこと





大丈夫…






少し驚いた・・・それだけ




だって突然だったもの





無意識に彼から目を反らす




彼の方を見れなくなってしまった






『オレ・・・さ』




彼はしきりに何か言おうとしている…





ダメ・・・私・・・

これ以上耐えられない





私は頭の中を振り切るように
奥歯を噛みしめ
顔を上げて彼に目でうったえた




『あ・・・ゴメン』




彼がポケットからカギを出して
私に向ける



ハッとした私は
ようやくチェーンロックを外し
ドアをあけてカギを受け取った




これで・・・いい




早くドアを閉めよう




ギリギリ・・・セーフだと思った。
















え・・・?


なのに


ドアが・・・閉まらない






気付くと私の引くドアは
彼によって押さえられていた




〃何・・・!?〃







何も言わずドアを押さえる彼に
動揺した私は


条件反射のように
ドアを無理矢理に引いた






だって・・・何が起こったかわからない






それに私・・・


これ以上・・・

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