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『ふふ・・・アイル

なんで？・・・またそんな事を』





アイルがすまなそうに
気まずそうに言葉を探すから

オレは笑って
軽く流した



・・・ってのは建前で



アイルが実際なにを感じて
なにを言い出すのか聞いてみたかった




アイルが言い出す事って
不思議だったり
面白いことだったりするから？(笑)





アイルの人間観察記に
しばらく耳を傾けた(笑)






『うんと・・・ね

リョウキとお母さんは

性格が似ている気がした』






『・・・』


ほらキタ・・・イキナリ意味不明だ(笑)






『あぁ…このお母さんが

この人を〃育てた〃んだなぁ……って

なんとなく感じる』







『はは…そゆ事ね

てか、そりゃそーだろ？親だし(笑)』







〃育てた〃・・・か




親の生い立ちなんてろくに知らない



そんなオレの幼い記憶に残る
母親の言葉・・・



〃自分のされて嫌な事は人にもするな〃


〃ズルい嘘をつくな〃


〃悪いことをしたら謝りなさい〃


〃沢山持ってる物は分けてあげなさい〃


〃弱い者いじめをするな〃


〃困ってる人は助けてあげなさい〃




それから・・・




〃人を…形や肩書きで…決めつけるな〃







『・・・』


育った環境なんて

誰しもが、生まれたその場所に

当たり前にあるもので

人から



それこそ他人様にでも言われないと

特別に意識もしなければ

わかんない事だよな…




オレの当たり前に聞いて育った言葉

それは…オレが一番に

当たり前…常識と思ってきた事だ




それを…家訓だとか

教育方針とか言うのか、わからないが





そんな母親の言葉や境遇は、今思うと

ある種、アイルの母親…あのお母さんに

どこか似通ったものがあるのだろうか？






〃子どもに自分と同じ苦労はさせたくない〃




そんな母親の意地だとか強さが






だからアイルは・・・なんて

想像を膨らませてもみたが



アイルはやっぱり

独特の・・・面白いことを言うやつだった