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Best name ~ 追憶 ~

第7章 ホントのキモチ・・・

『ヨシ(笑)話は済んだな?アイル』



『~~・・・っぅ、っく』




リョウキが笑いながら
私の涙を手で拭ってくれました






誰にも・・・言えなかったのは



私が自ら…過去の話を引っ張って

引きずって

心配をかけたり、気を遣わせたり

したくはなかった




そんな…私の本音







そして

誰にも・・・言えなかったのは





ソウタさんにも、マナさんにも

そして

リョウキにも




みんなに…言えなかった理由は

もうひとつ・・・あるかも知れません






滅茶苦茶だった私を

助けてくれて

受け入れてくれて

時に・・・守ってくれて






そんな…大切な人達の

人となりを

私自身が・・・よく知っていたから





みんな・・・とても優しい人達だ




こんな私を…許し、受け入れてくれた

そんな人達に…

みんなに話せば




必ず・・・心配をかける

私のために、頭を悩ませ

心を痛めさせてしまう


そして・・・それと裏腹に






ソウタさんなら

マナさんなら

そして・・・リョウキなら




私が…そんな話をしたら

笑って流して

許してくれて

背中を押してくれるのではないか……と






そんな



自惚れにも似た

そんな気持ちも



きっと私の中に…確実に

存在したような気がします







余計な心配をかけるだけ





だから・・・言えなかった






そして・・・やっぱり、この人は

私の知る、その人そのもので




その大きな体

大きな手に見劣りをしない



大きな心で

私を包んでくれていました





リョウキの…その人の性格

その心を

一番知っていたのは私のはずなのにね




やっぱり…余計なことを話してしまいました




彼に・・・罪悪感を募らせました

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