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Best name ~ 追憶 ~

第8章 過去・・・未来・・・そして今

『片瀬・・・だよな?』




『ぁ・・・』





私を呼び止めたのは

リョウキとは違うユニホーム…

相手チームの…関係者








『やっぱり、片瀬だ♪

覚えてない?……俺~』








『・・・』







覚えて・・・る




私…この人、知ってる







相手チームのスタッフの印をつけて

爽やかな笑顔を向けるのは











『・・・千葉・・・くん』











『あ、良かった!覚えてる(笑)

久しぶりだな♪片瀬』












千葉…勇気くん





高校の・・・同級生






2年のクラス替えで一緒のクラスになってから

3年・・・まで



私が…学校を辞めるまで




私が…地元に居たときの




クラスメイトだった






ドクン・・・ドクン・・・






驚いた





地元の子に会うことはおろか


話しかけられることなんて


ずっとなかったから






『元気にしてたか片瀬?♪』






『ぅ・・・うん』









動揺して…上手く話せない、そんな気がした












『試合観に来たの?~知り合いでもいんの?』





『うん・・・まぁ』





『ははっ、そっか!

でもすっげぇ偶然だな?!

びっくりしたぜ?』






『うん・・・』











私も・・・びっくりした






『てか、片瀬なんで

そんなよそよそしいんだよ(笑)』













びっくり…よそよそしい?




それは…当然だった





突然の事で驚いたから?







だけど・・・それよりも






ドクン・・・ドクン・・・





私の心臓が

なにやら締め付けられるように

緊張していた






生まれ育った名前で私を呼ぶ人…



それも…高校の同級生



地元の…子







それは…つまり







私の過去を


間違いなく知っている


そういう人・・・

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