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Best name ~ 追憶 ~

第8章 過去・・・未来・・・そして今

『滝川さんタッパーありますね?!
さすが現役の選手は…』



『いや…自分は違いますよ(笑)』




『え?いやいや冗談ですよね?!

てか試合出てませんでした!?

おかげでうちのチームボロ負けっすよ(笑)』






『その君の若手チームが
強くなるための…あくまで練習相手

あくまでも…スタッフ
そう思ってもらえれば…~』





『マジですか!?もったいないっすよ!』





『ははは……と、言うか君

チームスタッフなのに

把握してないのか?(笑)』






『あ…俺フィジカルとか
そっち方面専門でバレーは詳しくないんです

今日もサポートで駆り出されて来て~
ま…ぺーぺーなんすよ要は(笑)』





『あぁ・・・そう(苦笑)?

まぁ…それ言ったら自分のが

ぺーぺーですけどね』







『え~~?またまた(笑)』







『・・・』


挨拶がてら…会話しながら移動する
リョウキと千葉くんの後ろを
トボトボとついていく私…



これ…一体どうすれば



どうして…こんなことになってるのかな?






会場近くのファミレスに三人で入って
まるで予想し得なかった光景に

私はとてもじゃないけれど
落ち着く事は出来なかった





『今朝コーチ陣がうちのチームに
しつこく言ってたんですよ

今日の相手にスゲー天才的な
アタッカーがいるから
フォーム盗んで来い、って

滝川さんのことっすよね??
一発でわかりましたもん俺♪!』





『クス・・・さぁ、自分にはよく…』






『・・・』

あくまでも控え目に…謙虚で

年下の千葉くんに
さりげなく敬語で話すリョウキ

初対面だから…
と言うこともあるかも知れない

この頃はまだ転職して
年数もあまり経っていなかったから

業界的には千葉くんの方が長いから

とか…そんな敬意を払うような
リョウキの律儀さに

落ち着きもないくせに私は
相変わらず・・・



うっとり・・・・・・なんて




してる場合じゃないよね…???






なにしてるんでしょう・・・私ってホント









でもね…私


リョウキの才能や能力が
世間様に認められてる

彼を見てる人がいる
そのことだけは

やっぱり嬉しくて
そんな会話に聞き入っていたの

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