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Best name ~ 追憶 ~

第8章 過去・・・未来・・・そして今

やっと喋った・・・



確かにそう




だけど…そんな私に相反して
千葉くんは、なぜそんなに

普通に…そんなに
話していられるのだろう




その人の性格…キャラクターもあるけれど
それはやっぱり



その、置かれた立場のちがい…でしょうか




私は…否応なしに黙ってしまい


と言うか、何を話せば良いのかも
わからなければ


話すことなんて…浮かばない


目の前の千葉くんのように
明るく、楽しそうにする


そんな思い出話なんて
私にはありませんでした







『あ~…でも俺!片瀬のおかげで
助かったこともありましたよ!?』




『へぇ…もちろん体育の時間以外で?(笑)』





『あ!わかります?(笑)』







『・・・』

私が…気を遣わせてしまってるのかな・・・


と思いつつも



同じ体育会系のリョウキと千葉くんは
なんだかんだで話だとか

いわゆる〃ウマが合う〃と言うのか
良く話していたから

私は…やっぱり
傍観気味に眺めていた






『いや~…片瀬と席が隣の時は
テストの点が良かったんすよ♪

あれで留年免れたようなモンすからね!
今思えば片瀬はほんと恩人ですね~(笑)』




『ふふっ・・・へぇ?(笑)』





『え・・・?』




二人が上手く巻き込んでくれたのか
私は、その話の内容に時々反応したり…




『ぇ…私…千葉くんに
勉強教えたりなんか…したかなぁ?』





『ぷっ…』


『いや~…単位の神様
片瀬は高校時代の恩人だな♪』







『???・・・教えるもなにも

千葉くん…授業中なんか、いつも

〃寝てばっか〃だったじゃない』








『ぷっ…アイル・・・

〃だから〃・・・だろ?(笑)』





『???』





『お!滝川さん、さすが!話がわかる!
こりゃ…~経験者っすね?!(笑)』




『ぷ・・・いや、オレは
〃そこまで〃やってないぜ(笑)』




『???』





『ふふっ…だって部活組は
朝練キチぃんだぜ?

早弁して寝るなんて定番だろ?!
授業は貴重な睡眠時間だぜ?(笑)

いや片瀬にはホント世話に~…』








それって・・・つまり











『カ・・・カンニング・・・?』

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