Best name ~ 追憶 ~
第8章 過去・・・未来・・・そして今
『あ~~・・・しかし彼氏さんさ
なんであれで…選手やらないの?
歳上っぽいけどさ
まだまだ全然…その辺のやつより~』
『・・・』
私の言おうとしたことを察してか
千葉くんが話をそらしてくれた
『もったいないよな?ぶっちゃけさ!』
『・・・それは・・・みんな
色々あるんだよ・・・きっと』
リョウキの話を軽々しく口にしたりなんて
私は勿論しないから
私は、その話の流れに乗って
少し笑ってごまかした
だけど・・・
『それはさ・・・片瀬もじゃねぇの?』
『え・・・』
せっかく反れた話が…逆戻り
むしろ、もっと
突かれたくないところを
突かれるかのように
声となって返ってきた
ドクン…
再びギクリとしたように
心臓が跳ねあがったのを自覚する
『俺さ…アタマわりーからさ
気の利いた事も賢い事も言えないし
まわりくどい事とか
コソコソ…ダラダラ言うの
苦手っつーか
ハッキリ・・・言うぜ?』
『・・・』
『なんで…話しかけたか、って?』
『っ…』
『片瀬に…会えるなんて思わなかった
お前の事…〃みんな〃心配してたから
まさか、と思ったけどさ
スルー出来なかった』
『千葉くん・・・』
『空気読め…って感じだろうけどさ
もっと・・・ハッキリ言うぜ』
『・・・っ……ぁ』
ドクン…
心臓が高鳴って
呼吸が止まりそうになった
『〃あの時〃の事は
なんかの…間違いだ、って
俺は…未だに思ってるから』
千葉くんが…ついに
その〃核心〃を突いた・・・