Best name ~ 追憶 ~
第8章 過去・・・未来・・・そして今
『俺だけじゃないぜ…
俺が思うくらいだからクラスのやつらも
お前の…仲良かったやつなんか、もっと』
『・・・』
〃そんな・・・〃
『俺が…片瀬に…フツーに話しかけたのは
〃あの事件〃は…なんかの間違えで
片瀬は…俺の知ってる
クラスのみんなの知ってる
片瀬のままなんじゃねぇかな……って
思ったから・・・』
『千葉…くん』
『ふふ……そしたらさ
やっぱ片瀬…ちっとも変わってなかった♪』
『ちばくん・・・っ』
『お前は…メーワクだったかもだけど(笑)
俺は…やっぱ話しかけて良かったぜ?』
『め…迷惑なんかじゃっ……っく
私は…ただ・・・こわかったの』
『片瀬…』
『こわかった・・・それだけだったの』
『ははっ……ごめんな?片瀬
驚くし…気まずいかな
とは思ったんだけどさ
俺・・・つい』
『ううん・・・っ、私
こんな風に地元の子…
千葉くんと話せるなんて
夢にも思わなかったから』
リョウキ以外の男の人と
まともにお付き合いなんて
したこともない私…
何も恋仲でなくても
男の子と特別親しくしたことも
人並みに恋愛したこともなかった私…
そんな私にも、ごく普通に
気さくに仲良くしてくれた男の子
クラスメイトだった千葉くん
私の過去の事を知りながら
変わらぬ様子で話しかけてくれたことは
私にとって
嬉しいに…決まっていた