テキストサイズ

Best name ~ 追憶 ~

第8章 過去・・・未来・・・そして今

『ごちそうさまでした』



『~それなら彼氏に言えよ(笑)

宜しく伝えてくれよな?』




食事を終えて、連絡先を交換してから
千葉くんとお店を出た





『千葉くん・・・今日は本当にありがとう』






『~~いいってこと♪

帰り電車?…送ってくよ』





『ぇ…いいよ、慣れた道だし』






『もしもなんかあると彼氏に悪いから♪』





大人になったからかな?
意外にも(失礼かな?)
真面目な事を言う千葉くん







『でも… …~あっ』




パサッ…



少し慌てて改札の前で
ICカードを落としてしまった




『片瀬(笑)・・・~はい・・・?…あれ』



『ありがとう・・・、…?なぁに?』




ICカードを拾って渡してくれた千葉くんが
その表面をじっと見ていた





『片瀬…?あれ…

〃カツラギ アイル〃って…

片瀬…お前?・・・名前』








・・・あぁ、そうだ




『あぁ…~うん、親・・・離婚したから』





『そっか…お前、本当に大変だったな

ぁ…なんか、薄っぺらな言い方だけどさ』







それでいて、そのあとにまたもう一度
変わっての…その名前だけど



とは言わなかった



嘘をつくつもりもないけど
ややこしい事を
久々にあった友人に話さなくても良い




そう思ったのもあるけれど




これから先




いつでも…いくらでも



ゆっくり話せば良いかな




なんて思って



私は、急いで話すことをしなかった








『片瀬…~~じゃないか、ええと』



『ふふふ・・・いいよ千葉くん』






『ワルイ…聞きなれないからさ(笑)』




『だからいいってば♪…あのね千葉くん』





『〃ユウキ〃でいいよ

俺も…アイルって呼ぶ』





『う…うん』





『ぁ…アリサやミナミの手前気まずいか?

あー、まぁ…なんでもいーやとりあえず(笑)』





『ふふふ・・・うん、ユウキくん』





私は提案されたように名前を呼んだ



過去に捕らわることでもなく

学生の時ともちがう



これは…大人になった私たちが

新しく友人関係を築いていく


その始まりなんだ……と

そう言ってくれてる気がしたから

ストーリーメニュー

TOPTOPへ