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Best name ~ 追憶 ~

第1章 私の記憶

そして、ソウタさんの話に
変化がでてきた。


『あ~…それよりなァ…

アイル~…お前~…
なんだァ…その……

ホントは……
ワケがあったんじゃねぇのかぁ?』













ギクッ……。








心臓がドクっと大きく動いた。




『俺ぁよぉ…ガキの頃から
ずっとお前みてるけどよ……

未だに…なんだ、その
腑に落ちなくてナァ……』








ドクン ドクン ドクン……。







だめだ……。





泣いたりしたら



変に思われる。









私はこの時に久々に……


そして唯一


忘れていた〃涙〃がでそうに


目の奥が熱くなった。






心配そうに
どこか私にすまなそうに
言葉を探して話すソウタさんの姿に……






唯一……



一度だけ…




一瞬だけ……






ホントウの事を話したいと

思ってしまった。








あのね……ソウタさん





私、ほんとうはね





すごく怖くて辛かったんだ





……と。

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